プロが教える気の利いた手みやげ

「人と〝かぶらない〟手みやげ、私はいつもこうしています」
第5回 小栗絵里加さん

2018年11月12日

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友人の家でのホームパーティー。きっとみんな、お洒落で美味しいものを持ってくる。でも、私は何を選んだらいいのだろう――?

「少し頭をひねってみるだけで、人とかぶらず、驚かせられる手みやげを見つけることができるんです」と話すのは、bar Algernon Sinfoniaのメインバーテンダー、小栗絵里加さん。今回、手みやげの一例として教えてくれたのは、Macaron d'or(マカロンドール)の〝ビールと合うマカロン〟だ。この逸品にどんな驚きが隠されているのだろうか。

■固定概念を覆す「ビールに合うマカロン」

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Macaron d'orは、東京・神田錦町に店を構える。企業ロゴや写真データをマカロンにプリントするサービスも行う

マカロンというと、甘くて、パステルカラーの見た目がきれいで、女の子に人気のある――そんなお菓子のイメージがありますよね。だけど今回、私が選ばせていただいた「Macaron d'or」さんのマカロンは〝ビールと合うマカロン〟。

まずは、3種類あるこのマカロンの味を見てください。「ピーナッツバタークリーム」「ブルーチーズとくるみ」「クリームチーズとドライトマト」......まるで、おつまみのメニューを見ているみたいですよね。口に含み噛んでみても、ほかのマカロンとの違いが実感できるはずです。甘味だけじゃなく塩味も口の中に広がるんですよ。私自身、ビールのアテになる鮭とばとか貝ヒモなんかが大好きなんですけど、同じようなビール好きの方にも必ず喜ばれる味のマカロンです。

今、ここにあるのは3つの味ですけど、Macaron d'orさんのほかのマカロンも本当にユニークでとても美味しい。当店の系列店で恵比寿に「Vinsanto(ヴィンサント・改装中、11月初旬リニューアルオープン予定)」というバーがあるんですが、そこでも昼の時間帯にマカロンを販売させてもらっています。当店でも、「今月はこういうお酒に合うマカロンでお願いします」というように月替りでさまざまな味のものを仕入れさせてもらっていますね。今月(2018年10月)は、塩キャラメル味とバニラグレープ。バーなので当然、お酒が好きなお客さまばかりですけれども、マカロンはいつもご好評いただいています。それだけ、ほかのマカロンと違って個性的で美味しいんです。

■何よりも人を喜ばせる、驚きの演出

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ビールについても熱く語る小栗さん。「友達とビールを飲んだ後でも、家に帰れば1日の終わりに必ずもう1杯飲みます」

繰り返しになりますけれど、一般的にマカロンは「かわいい」お菓子のイメージが持たれがちでありながら、こちらはビールと、お酒と合う逸品です。それって、多くの人が驚くことではないでしょうか。

私はバーでの仕事でも、プライベートでも、あるいは今回のテーマのように手みやげを持っていくときでも、「驚き」「サプライズ」を演出したいというタイプ。友達の家にみんなで集まってお酒を飲むというとき、当然、バーテンダーだから「彼女が好きなお酒はこれだから、あれなら合うかな」と考えつつ、ほかの人とかぶらなさそうなものを選びます。たとえば、ウイスキーが好きな友達が多くいるときなら、かわいい木箱に入っているチョコレートケーキを持っていく、といった感じです。逆に、一見〝ベタ〟だと思うような手みやげでも、脂が乗り切ったソフトな鮭とば(私の故郷、北海道にはそんな鮭とばがあるんです!)など珍しがられる逸品もあります。このように、誰もが思い浮かびそうなものでも、ちょっと頭をひねってみるだけで喜ばれるものを贈ることができるんですよね。

......そう考えていくと、人に喜んでもらいたいという気持ちが、仕事の上でも日常生活でも、いつも私の中にあるのかもしれません。私、もともとバーテンダーの仕事はアルバイトとして始めたんです。以前、アイドル活動をしていまして、昼間はステージや撮影、夜はお店に入る、という生活を続けていました。その中で芸能の世界にも、バー、お酒の世界にもファンがいるということに気づいたんです。どちらもファンの方に喜ばれてこそ成り立つ世界ですよね。そして「今までの『なあなあ』な生き方じゃだめだ」と思ったとき、迷いなくバーテンダーとしての生き方を選んだんです。

■「担当」を決めると手みやげをより愉しめる

おこがましいかもしれませんが、マスターズドリームマガジンの読者の方々に手みやげについてのアドバイスをするならば、「担当」を決めるのが良いと思います。たとえば仲間内で「ビール会」をするとして手みやげを持っていくとなると、どうしても品物がかぶっちゃうじゃないですか。だから、「甘いもの担当」「塩辛いもの担当」というようにあらかじめ決めておくと、みんなでいろいろなものを愉しめますよね。

あとは、「お腹にたまるもの担当」も必要かも。私がそれをやるなら、「帯広風豚丼」や「禁断のベーコン」を持っていきます。禁断のベーコン、というのは北海道の食品メーカーがつくっているもので、本当は「農家のベーコン」という商品名なんです。だけどあまりにも美味しくて、翌日も食べたくなるほどそのベーコンが頭から抜けなくなるから、私は「禁断のベーコン」と名づけています。最後まで「地元大好き」な話ですみません(笑)。

小栗絵里加(おぐり・えりか)

1984年北海道生まれ。短期大学で音楽を学んだ後、有名アイドルグループの候補生として活動。その傍ら、ウェディングレストランやシガーバーでのアルバイトを経験したことをきっかけに、バーテンダーの道を志す。2016年よりbar Algernon Sinfoniaマネージャー・メインバーテンダー。2017年、カクテルコンペティション「なでしこカップ」で優勝。

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