プロが教える気の利いた手みやげ
2017年5月 9日
もしも、今日誰かのホームパーティに呼ばれたら......その時、お酒に合う気の利いた"手みやげ"を持っていくことができるだろうか。首をひねり、頭を悩ませても、いいアイデアが浮かんでこないなら、その道のプロに話を聞いてみよう。今回手みやげについて教えてくれるのは、バンド・ホフディランのキーボードでボーカルの小宮山雄飛さんだ。
小宮山さんといえば音楽界きっての食通。今年の2月には酒場の愉しみ方について書いた『新 酒場入門』を上梓している正真正銘の飲みのプロだが、そんな小宮山さんが選んだのは、DEAN & DELUCAの「ドライフルーツアソート」と「ドライナッツアソート」だった。
「ドライフルーツアソート 8種」(左)は乾燥させたイチジク、デーツ、レーズン、パイナップル、マンゴー、クランベリー、トマトのセット。シリアルに混ぜたり、ヨーグルトに入れるのもおすすめ。「ドライナッツアソート 8種」(右)はカシューナッツ、マカダミアナッツなど8種類のナッツセット。ともに。2,376円。DEAN & DELUCA他、オンラインストアで購入可能
知人のパーティに参加した時に、テーブルの上さりげなく置いてあったので手を伸ばしてみたら、美味しかったというのが出会いです。ナッツやドライフルーツみたいな質素なものに出会いとか、大袈裟だなって話だとは思うんですが......いやいや、これがすごい。お酒を飲む場のかゆいところに手が届くんです。
まず人が集まるパーティには、当然いろいろな食べ物が集まります。でもこんな時に起こってしまう事態が、メインディッシュがテーブルに並びすぎるという、手みやげ過多現象なわけです。ある程度食べたら、もうお腹いっぱい。その後はお酒をゆっくり飲みながら談笑しますよね。そんな時、ナッツやドライフルーツがあると良いお供になってくれます。
お腹は満たされていても、お酒を飲んでいると手持ち無沙汰にはなる。だから、その場にちょうど良いものがポンっと置いてあるとありがたい! ルックス的にも上品なので、箱のままでなんの問題もない。また、手みやげ過多によってナッツとドライフルーツに手をつけてもらえなかったとしても、乾き物だから長持ちする。乾き物って捨てなくて良いんです。
あとは、僕自身が43歳で、お呼ばれされて行くところにはもっと歳上の方が......。そう、脂を摂取しすぎるともう死んじゃうような人たちがたくさんいる(笑)。もう、昔みたいにずっと霜降り肉なんて食べられない。ガブガブお酒を飲んだりすることもない。ちびちびと、長い時間飲むような人が多いんです。すごい勢いで飲んでる年配の方とかいたら、びっくりするでしょ。ある程度落ち着きがないと......。
でもまあ、そんなこと言いつつ僕、若い頃はナッツ食べながらお酒を飲んでいるようなおじさんはかっこ悪いと思っていたんですけどね。「木の実ばっかり食べてリスなのかよ! お酒ももっと飲め!」みたいな。だけど、最近はバーでナッツやドライフルーツが出てきたりするとすごく嬉しい。質素なものは飽きないし、長い時間ちょっとずつつまみながら飲むことができる。年齢を重ねないとわからない、お酒とかつまみの楽しみ方ってあるんだなあと最近は思いますよ。
お酒自体もね、昔はテキーラとかを持ってパーティに参上したりしていましたけど、もう僕ら無理しない、いや、できない世代ですからね。飲むものも変わってきますよね。日本酒とかが美味しいと心から思うようになってくる!
まあしかしながら、このナッツとドライフルーツに合うのはワインとかビールとかウイスキーでしょうね。ナッツは特にビールとの相性がいいかもしれません。脂を含んでいるので、口の中がナッツの脂で満たされたらビールで流し込むみたいなね。
それにしても、不思議です。ナッツの領域に足を踏み入れることはないと思っていましたから。漫画『美味しんぼ』に「ソルトピーナッツ」という回があって、美食を極めて最終的にナッツに行き着いた人が出てくる話があるんですけど、なるほどなあと。
ただ、このDEAN & DELUCAの「ドライフルーツアソート」と「ドライナッツアソート」にハマって以来、御徒町の問屋に買い物に行ってグラノーラとかまで作るようになっちゃったんですよ僕。ハマりすぎちゃって、ほんと勘弁してほしい。まあ、そんな話もパーティじゃ酒の肴になるから、いいんですけどね。
小宮山雄飛(こみやま・ゆうひ)
1973年東京生まれ原宿育ち。1996年「スマイル」でホフディランのVo&Keyとしてデビュー。渋谷区観光大使兼クリエイティブアンバサダー。今年2月には新しい酒場のバイブル『新 酒場入門』を上梓した
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第1回 ホフディラン小宮山雄飛さん