スペシャル
2019年5月16日
これまで〈ダイヤモンド麦芽の恵み〉や〈山崎原酒樽熟成〉といった、オリジナル商品以外の展開も見せてきたマスターズドリーム。そして5月28日、新たなマスターズドリームが登場する。その名は〈山崎原酒樽熟成ブレンド〉。開発を担当した熊谷武士が、これまでの山崎原酒樽熟成と何が違うのか、ブレンドの意味とは、そしておすすめの愉しみ方を語る。
効率や生産性ではなく、ただひたすら醸造家が「うまさ」を追い求めた夢のビールが、マスターズドリーム。言い換えれば、誰かの指示などからではなく、醸造家自身の想いから生み出されたものであり、実際に醸造家の発案でこのビールが開発され、今に至っている。
そして、5月28日に発売される「マスターズドリーム〈山崎原酒樽熟成ブレンド〉」もまた、オリジナルのマスターズドリームと同様、醸造家の想いから生まれたものだ。
「ビールをつくるときは、マーケティングのデータなどに基づき会社全体で方向性を共有して開発がスタートする場合があります。もちろん、そこで美味しいビールをつくるのは私たちにとってとても重要な仕事です。ただ、マスターズドリームの場合は、醸造家が自らどんどんと提案して、より美味しくしていこうとするブランドなんですね」
そう語るのは、醸造家・熊谷武士。山崎原酒樽熟成ブレンドは彼が声を上げて開発がスタートしたが、そのコンセプトを提案してもすぐに着手できたわけではなかったという。
「『本当にそんなことできるの?』という反応がありました。でも、試醸品をつくって飲んでもらったら、『これはサントリーにしか、私たちにしかつくれない味だ』と認めてもらえたんです。そこから、みんなが1つになってビールづくりに向かっていくことになって、嬉しかったですね」
マスターズドリーム 山崎原酒樽熟成ブレンドと通常のマスターズドリームの各3本がセットになったものが5月28日に発売される
当初は実現を不安がる人もいたという山崎原酒樽熟成ブレンド。その理由は、工程の複雑さにあるという。
「山崎原酒樽熟成のビールとそれと調和する新しいビールをブレンドさせたのが〈山崎原酒樽熟成ブレンド〉です。2016年から数量限定で『マスターズドリーム〈山崎原酒樽熟成〉』をリリースしてまいりましたが、かねてから目指していた深く長い余韻を実現するためには、熟成期間をさらに延ばす必要があるという結論に行き着きました。熟成期間を延ばすことで、ブレンドした後の製品の柔らかさ、まろやかさが高まり、さらにビールとしての"しまり感"も実現できることがわかったのです。ただし、熟成期間を延ばすためには、木樽の個性に負けない中味が必要になります。そのため、原料・仕込・醗酵条件などを1から見直すことで新たな山崎原酒樽熟成ビールを開発しました」
さらに熊谷は「ブレンドとは、ただ混ぜ合わせることではないんです」と続ける。
「たとえば、異なる個性を持ちつつもどちらも美味しい2つのビールをブレンドさせたところで、必ずしも良いものができるとは限りません。お互いの調和がとれなければ、1+1が2以下になってしまうことだってあり得ます。逆にいうと、つくりたいビールの狙いを思い描き、最高の状態の中味を醸造家自らが五感を使って官能し、その良さを生かす最適なブレンド比率を見極めることができれば、1+1が3にも4にも広がっていくんです。そこで、今回の山崎原酒樽熟成ブレンドでは最高のうまさを実現するため、ブレンドするビールについても新しく開発しています。マスターズドリームが持つ多重奏で濃密な味わいをベースに、より木樽熟成のビールと調和するような中味をつくりあげました」
では、その狙いとでき上がったビールはどんなものなのか? それを問うと、まず、ビール本来の味わいがしっかり感じられるようつくりたかった、との答えが返ってきた。
「我々サントリービールの醸造家は、ヴァイタートリンケン(次の1杯をまた飲みたくなる、次の機会にまた飲みたくなる)という味の実現を常に目指しています。今回の山崎原酒樽熟成ブレンドは、そこにつながる全体の調和、余韻を表現することに、徹底的にこだわっています。マスターズドリームが元来有する多重奏で濃密な味わいに、木樽熟成ならではの甘く複雑な香りが調和して、深く長い余韻を愉しめます」
マスターズドリーム〈ダイヤモンド麦芽の恵み〉も熊谷が開発を担当。インタビュー記事はこちら
そんな山崎原酒樽熟成ブレンドの愉しみ方として、オリジナルのマスターズドリームとセットになっているという点を生かした「飲み比べ」を、熊谷は提案する。
「まずは料理などとご一緒に、マスターズドリームを飲んでいただく。そして食後に、山崎原酒樽熟成ブレンドを飲むと、双方の個性や美味しさがより実感いただけるのではないかと思います」
一方、山崎原酒樽熟成ブレンドを食中に楽しむという場合は、次のようにおすすめする。
「山崎原酒樽熟成ブレンドに関しては、このビールが持つ木樽熟成由来の甘く複雑な熟成香から来る余韻を感じていただけたら、嬉しいですね。なので、和食のような旨味があり、家庭的で、繊細な味わいの料理とご一緒に愉しんでいただくのが良いかと考えています」
そして、熊谷が何よりも「提案」したいのは、山崎原酒樽熟成ブレンドを大切な人と、特別な時間に愉しむということだ。
「先ほども申し上げたとおり、数こそ限られるものの店頭やウェブで広く販売されるのが山崎原酒樽熟成ブレンドです。幅広いお客さまのお手に取っていただけると思いますし、であるからこそ、それぞれのお客さまご自身が大切にしたいシーンで飲んでいただければと思っています。5月の終わりに発売されるので6月の父の日のプレゼントとしてなど、ご家族、ご夫婦、恋人といった、大切な人と過ごすのにぴったりなビールです。もちろん、お1人でじっくりとその味わいを堪能しても、やはり特別な時間を過ごしていただけると思います」
マスターズドリーム 山崎原酒樽熟成ブレンドの発売日は5月28日(火)。木樽熟成のビールがブレンドされた深く長い余韻、そして醸造家の熱き想いが凝縮されたこのビールを、ぜひ特別な時間に味わっていただきたい。