MASTER'S DREAM HOUSEは、東京駅日本橋口に面したビルに位置する、ガラス張りの明るい日差しが差し込む空間。初夏の爽やかな風が心地よい5月30日の午後6時、この日の参加者が続々と集まってきます。開場後、早速ビールを片手に同じテーブルの参加者と挨拶を交わす方もいらっしゃり、会場は開始前から和気藹々とした空気に包まれていました。

冒頭、マスターズドリームクラブ会員18万人のうち、当選者はわずか16組のみであったことが発表されると、参加者からは大きな拍手が。中には互いに顔を見合わせ、握手を交わす方もいらっしゃいました。

そして司会者の紹介ともに、醸造家の高岡成介と熊谷武士が登場。2人ははじめに自身が担う「醸造家」という仕事について説明します。

マスターズドリーム商品開発に携わる、醸造家の熊谷（左）と高岡（右）

「麦芽やホップなどの原料は、年によって出来栄えも特徴も異なります。原料の特性を把握したうえで、仕込みや発酵、濾過する際の条件を微調整し管理することが、我ら醸造家の仕事です。時には1日に大瓶2本分もの試飲をしながら、皆さまにおいしいビールを提供する努力を続けています」（高岡）

「私は現場であるビール工場で、職人の技術と近代的な科学技術を組み合わせながら、マスターズドリームの商品開発をしています。伝統的な手法を学ぶことも仕事の一環でして、ドイツへ留学してホップ畑を訪れたこともありました」（熊谷）

参加者の皆さまとご一緒できることを非常に楽しみにしていた、と挨拶する2人。ちなみに司会者からの「休日は何をしていますか？」という質問には「休日も飲んでいます！」（高岡）「夜飲ませてもらうために、昼間は家族サービスを......」（熊谷）と返し、会場が笑いに包まれる一幕もありました。

サントリー流の乾杯「スコール」を高岡の音頭で行なった後、トークセッションが始まりました。高岡はマスターズドリームが生まれた経緯を述べた上で、多重奏な味わいを生み出すための"素材と製法"について説明します。

「マスターズドリームを生み出すための大きなポイントは、ダイヤモンド麦芽という希少な麦芽を使用していること。ダイヤモンド麦芽は名前の通り非常に硬い構造をもっています。その旨みを引き出すために、熱をかけてグツグツ煮込む"デコクション"という作業を3回も繰り返すんです」

そして、素材だけではなく製法にもこだわりがある、と高岡は述べます。

「ヨーロッパの伝統手法である銅炊き仕込みにこだわっています。銅釜は熱伝導が良いぶん柔らかいので、近代型のビール工場には不向きとされていましたが、熱がしっかり伝わるので麦芽の香ばしい香りと旨みを引き出せます。ダイヤモンド麦芽と銅炊き仕込み、この二つのこだわりにより、深いコクと柔らかい苦味に加え、目を閉じるとフッと溶けるような甘み、そして香ばしい香りを引き出すことができるんです。この味わいを我々は"多重奏で、濃密。"と表現しています」

■限定醸造〈山崎原酒樽熟成ブレンド〉を提供

高岡からマスターズドリームの開発秘話が披露された後、参加者には5月28日に解禁されたマスターズドリーム〈山崎原酒樽熟成ブレンド〉が振る舞われました。この日は特別に、樽詰めされた〈山崎原酒樽熟成ブレンド〉を提供。通常は瓶詰めされた商品しかお目にかかれないぶん、会場からは歓声があがり、手を叩き喜ぶ参加者もいらっしゃいました。

さらに、熊谷が〈山崎原酒樽熟成ブレンド〉の製造、設計に携わったことを司会者が説明すると、大きな拍手が巻き起こります。経年変化により深い色合いとなった山崎原酒樽も披露されました。

熊谷が布を外すと、新商品〈山崎原酒樽熟成ブレンド〉に使用された山崎原酒樽がお披露目された

「〈山崎原酒樽熟成ブレンド〉は、サントリーの蒸溜所で使用した樽で寝かせたビールと、専用に用意したマスターズドリームをブレンドした商品。甘くて複雑な香りが、多重奏で濃密なマスターズドリームの本来の味わいに調和し、深く長い余韻が愉しめます」（熊谷）

ちなみにこの日の料理は、フランボワーズのジュレやリンゴのカナッペなど、ビールのおつまみとしては珍しくも、甘みのあるメニューを提供。〈山崎原酒樽熟成ブレンド〉の味わいにマッチするよう、特別に用意されました。熊谷は「料理とのペアリングを楽しんでほしい」と語ります。

クローズドパーティー特製・前菜3種盛り合わせと肉料理を提供。前菜3種盛り合わせ、海老と夏野菜の和風マリネ、フランボワーズのジュレとライム、スモークしたさつま育ち香潤どりとモッツァレラチーズ、ハニーマスタードソース、フォアグラバターとリンゴのカナッペ、カシスのソース。肉料理は味噌漬けにした常陸牛のグリル、燻製醤油と刻みわさび

「〈山崎原酒樽熟成ブレンド〉は旨み・甘み・酸味のバランスがよく、多重奏な味わいのあるビール。酸味のあるマリネや、甘みのあるチーズなどと相性がいいです。また、肉の旨みにも負けない深みもある。様々な料理との組み合わせにマッチします」

〈山崎原酒樽熟成ブレンド〉を口にした参加者からは、早速「余韻が素晴らしい」と感嘆の声があがります。テーブルに並んだ前菜とのペアリングを愉しむ方もいれば、通常のマスターズドリームと飲み比べる方もいらっしゃいました。

■「ビールをたくさん飲んでも太らない秘訣は？」 醸造家が伝授

ここで、参加者と醸造家がともに交流する時間......に移る前に、司会者から突如「クイズ大会」の開催が宣言されます。参加者はテーブルごとに4人1組のチームを編成。マスターズドリームの製法にまつわる問題や、マスターズドリームに使用されている麦芽の名前、さらには「高岡が土日出勤をするときに娘さんに言われた一言は？」といった難問まで、全5問の出題にチャレンジしました。しかも、優勝チームには「豪華景品」が贈呈されるのだとか。参加者はチームごとに真剣な表情で議論しあい、熱気に包まれました。

正解と豪華景品の発表は閉会時のお楽しみ、ということで、そのまま醸造家のテーブルラウンドの時間へ。醸造家の2人がテーブルを回り、参加者と共にビールを楽しみました。「スコール」の乾杯で歓迎したり、拍手で出迎えるなど、参加者の皆さんは2人との交流を大いに愉しんでいました。

ちなみに参加者の中には、「いつもマスターズドリームを提供しているレストランを訪れる」という"マスターズドリーム愛"を伝える方や、原酒樽にちなみ、ウイスキーの話に華を咲かせる方も。また、醸造家にビールにまつわる質問を投げる参加者もおり、次のような会話が飛び交いました。

参加者「現場でビールを作る工程のなかで、一番大変な作業はなんですか？」

熊谷「ビールが好きなので苦に思うことはないですが、実は一番大事な作業は洗浄なんです。綺麗な状態の設備で使わないと、酵母以外のものがはたらいてしまう。今はほとんど自動化されていますが、どうしても手で洗わないといけないパーツもあります。必ずしも全ての醸造家が行う作業ではないのですが、醸造家として、そういった現場の細かい作業まで経験することを自分のポリシーとしているんです」

参加者「数十年とビールと向き合っている中で、体型を維持する秘訣を知りたいです」

高岡「よく"ビール腹"なんて言われますが、必ずしもビールが悪者、というわけではないんです。ビールを飲むと脂っこいものがマッチするので、どんどん食欲が増進される。その時に食べ合わせるおつまみに気をつければ、体型はキープできますよ。実際、自分はビールだけ飲んでいるので、見た目にはそこまで影響が出ていないのだと思います」

また、〈山崎原酒樽熟成ブレンド〉については、次のような感想が参加者の方々から聞かれました。

「まるでワインのようなテイストで、チーズやお肉にバッチリ合いました。軽やかな風味なので、ビールの苦手な女性にも勧めたいです」

「料理の邪魔をせず、ペアリングを楽しめることにも感激しましたが、単体で飲んでも楽しめる。余韻が素晴らしく、ずっと飲み続けられます」

パーティーの終盤では、クイズ大会の正解発表が。全問正解した3組の延長戦を経て、優勝したチームには、自宅でも神泡のマスターズドリームが楽しめる専用のビアサーバー「BEERGO（ビアルゴ）」が贈呈されました。

結びに、高岡は次のように挨拶しました。

「皆さんの笑顔を見ていると幸せになりますし、このような場で生の声を聞かせてくださるのが嬉しいです。ビールは人を幸せにしてくれるお酒。これからも醸造家として努力を重ね、期待を上回るような驚きと美味しさを提供したいと思っていますので、楽しみに待っていただければと思います」

帰りがけ、「醸造家と直接お話ししたことで、ビールを楽しむバリエーションが広がった」と嬉しそうに語る参加者も。高岡も挨拶で述べていた通り、これからも〈山崎原酒樽熟成ブレンド〉を上回る感動が生み出されるはずです。次のパーティーも、つくり手の声を直に聞くことで、ビールの新しい楽しみ方を開拓するきっかけが生まれそうですね。