プロが教える気の利いた手みやげ

「手みやげ選びは、お酒と場の調和を考えています」
第6回 青柳文子さん

2019年5月16日

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もしもホームパーティーに呼ばれたら、どんな手みやげを持参すると場の空気をもっと楽しくできるのだろう。お酒との相性はもちろん、その品自体に気づかいが見え隠れすると、交流の場を和やかにしてくれるに違いない。

モデルで女優の青柳文子さんは「みんなに気を遣わせず、それに加えてコミュニケーションが生まれるものが適しているのではないかと思います」と話す。そんな青柳さんがセレクトしたのは、参宮橋にあるジェラートショップ「FLOTO」の焼き菓子、バトン・フロマージュ。パーティーにお呼ばれすることも多いという彼女に、手みやげの極意を聞いた。

■お酒好きな人も、飲めない人も愉しむことができる逸品

色々な職業の方とお会いする機会が多い仕事をしているからか、ホームパーティーに呼んでいただくことも多いんです。そういう時は、必ず何かしらの手みやげは用意するようにしていて、「何を持って行ったらみんなが喜んでくれるか」とお店で悩みすぎて遅刻しそうになることもしばしばです。でも、悩んだらコレ! という品も当然あって、それが参宮橋にある「FLOTO」のバトン・フロマージュです。ジェラートと焼き菓子のお店なんですが、どちらも好きで......。ただ、お酒を飲むような席にお呼ばれした時に選ぶならば、バトン・フロマージュですね。チーズの風味に合わさって黒胡椒とピンクペッパーが効いていて、さらに藻塩の塩味がお酒にもとっても合うんです。

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常時12種類のジェラートが楽しめる「FLOTO」。焼き菓子はバトン・フロマージュの他にマフィンやパウンドケーキがある。パンも提供されており、いずれも同店のラボで作られている。住所は東京都渋谷区代々木4-12-6、営業時間は9:00〜19:00。水・木定休

パーティーは最初に主催者の方が用意してくれたご飯がメインを飾るじゃないですか。でも、時間が経過するとともにスナック菓子やスイーツが欲しくなってきたりする。そのタイミングで「実はこんなのを持ってきました」と出すと、喜ばれることが多いんですよ。スパイシーさとチーズのまろやかさが同居しているので、マスターズドリームみたいな苦味と丸みとコクが調和したビールにはもちろん相性がいいですし、ワインやウイスキーともよく合います。人が集まる場では、みんなが同じお酒を飲んでいるということはまずないので、この味のホスピタリティの高さはありがたいです。

それに、当然ですけどホームパーティーの場にはお酒が飲めない人もいます。もともとお酒があまり強くない人や、授乳中でお酒が飲めないという人も。そういう方は、ハーブティーや紅茶、炭酸水と一緒に愉しんでいただければいいし、お酒がなくてもお菓子単体で味わえるのがいい。見た目だけだと甘い焼き菓子にも見えるので、「実はこれ、甘く見えて甘くないんです」なんて導入をきっかけにコミュニケーションも生まれます。自分が持参した手みやげに驚いてもらえるのは嬉しいですし、初めてお会いした方ともそれがきっかけで会話ができたりしますよね。

■手みやげを選ぶ際のコツは、主張しすぎないこと

ものすごい高級品だともらった人が恐縮したり、お返しをしたりしないといけないんじゃないかと思うかもしれない。せっかく場を楽しくしたいと思っているのに、気を遣わせてしまったら逆効果だと思うんですね。それに、主催の方が用意してくださったお料理よりも豪華なものも、空気を壊してしまう気がする。だからなるべく目立たないような、だけど自分でも買ってみようと思ってもらえるようなものがいいと心がけています。

それと、あまり考えずに「とりあえず試してみたい」という気持ちで選んだものは、私の場合あまり好意的に受け入れられたことがないですね......。以前、ウイスキーが好きな人が多い中に甘い果実酒を持って行ったことがあって、言うまでもなく最後まで手がつかずに残りましたよ(苦笑)。相手のことを考えて品物を選ぶって大切ですよね。よっぽどオススメの理由があって、しっかりプレゼンできれば話は違ってくると思うんですが、なかなかそれは難しいですから。

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このバトン・フロマージュの場合、まず自分がかつて住んでいた参宮橋にあって、偶然歩いていた時にオープンするタイミングで出会えたというストーリーがあります。通っていたし、いまも参宮橋を歩く時は必ずと言っていいほど買っている。自分が感じている「良さ」をちゃんと説明できるんです。それに、どこにでも売っているものじゃなくて、FLOTOでしか手に入らないものなので、パーティーで一緒になった人にもいい出会いを提供できるかもしれない。実際、パーティーでFLOTOのバトン・フロマージュは結構人気者です。

お菓子自体の味わいや風味によって生まれる余韻が、そのままコクのあるビールやワインとつながって、両方の持ち味を途切れさせずに愉しめるのがコレのいいところ。そして、手みやげ自体が場にそういう効果を生めるといいのかなって。楽しく、実りある空間をつくれると、きっとそれが人間関係としても途切れないものになっていくんじゃないかと思います。

青柳文子(あおやぎ・ふみこ)

1987年生まれ。女優・モデル。雑誌、映画、ドラマ、アーティストMVなどに出演。映画や旅行についてコラムを執筆するなど、様々な分野で才能を発揮している。また、陶器のような美肌の持ち主で、モデルとして美容系のオファーが殺到中。ママ雑誌でも表紙を飾り、新たな一面も見せている。映画出演作に『知らない、ふたり』『四月の永い夢』など

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