スペシャル

ビールと同じく素材と製法にこだわりました
――マスターズドリームとのコラボチョコレート監修・土屋公二さんインタビュー

2018年1月16日

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1999年のオープン以来、多くの人を魅了するチョコレートの専門店「ミュゼ ドゥ ショコラ テオブロマ」。丹念に吟味した素材と手づくりへのこだわりが人気の理由だが、同じく素材と製法にこだわるマスターズドリームとのコラボが実現した。

今回のコラボで形になったのは、もちろんチョコレート。テオブロマのオーナー、トップショコラティエである土屋公二さん監修のチョコレートと、マスターズドリームがセットになったギフトボックスが、1月23日に発売される。

そこで土屋さんが、今回のコラボでこだわりを込めたポイント、ビールとチョコレートを共にどう愉しむかを教えてくれた。

マスターズドリームをつくる醸造家の方々は、素材の生産国へ自ら仕入れに赴くそうですが、私もチョコレートの素材であるカカオの生産国へ度々行っています。カカオという木は、種を植えてから実がなるまでに7年ほどかかるんです。今は技術が発達して、最短4年で育つようになりましたが、4年ではまだまだカカオの実は小さいものしかできません。ある程度の大きさのカカオの実の収穫には、5〜6年はかけなければなりません。

農園の人々はみんな生活を少しでもよくするために仕事をしています。こちらの理屈が通用しないことも多い。育つまでに時間のかかるカカオを自分の目で見るということ、そして、つくる人はどんな事情を持って仕事をしているのかということを知るのはとても大切で、だから現場に赴くわけです。

もちろん、厳しい事情を知ったからといって、それで素材選びに手を抜くことはありません。素材を見極める、自分たちがつくったものを確かめるとき、私は自分の頭で考えて、意見をしっかり持つことを心がけています。できあがったチョコレートなら食べてみて、美味しいなら美味しい、そうじゃないならそうじゃないと、はっきりという。

じゃあ、美味しいチョコレートって何? と聞かれそうですね。私が考えるのは、酸味、苦味、甘味のバランスが保たれ、後味も良い――それでいて、何らかの特徴があるものです。酸味と聞くと、意外に感じられる方もいるかもしれませんが、実はかなり重要なんですよ。特に、ここ数年で話題となっているチョコレートは、ベリー感のあるものが代表的ですし、カカオの品種の中でも「クリオロ種」は酸味が特徴的です。チョコレートを食べるときは、この酸味、苦味、甘味のバランスにもちょっと気をかけてみると、愉しみ方が広がると思います。

■上質なビールには上質なチョコレートを

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また、今回のコラボも、同じく意外に感じられる方がいるかもしれません。「なぜビールとチョコレートなの?」「本当に合うの?」というように。でも、チョコレートの本場であるベルギーは、ビールの本場でもあります。レストランなどに行けば、数十に上る種類のビールが揃えてあって、チョコレートと一緒にビールを飲んでいるお客さまもいますね。それに、欧米ではホームパーティーに招かれたときのお土産に高級なチョコレートを持っていくのが一般的です。なぜかというと、嫌いな人が少ない上に、もらった人はその美しさと重厚感に大喜び。そういった席で、お酒と一緒にチョコレートが愉しまれているんです。

当然、今回監修したチョコレートは、マスターズドリームの味を堪能できるように考え、こだわりました。

原料のカカオは、ガーナ産の「フォラステロ」という品種を使いました。カカオには、フォラステロのほか、先ほど話した酸味が強い「クリオロ種」、フォラステロとクリオロを掛け合わせた「トリニタリオ種」の3種類があります。フォラステロは苦味を出しやすい品種なんですが、ビールのコクを邪魔しないように酸味も苦味も抑えつつ、しかしチョコレートのボディ感はしっかりと残しました。

製法の面では、良質なフォラステロを使っていますので、素材の持ち味を最大限に生かしています。具体的に何をしたかというと、130度の温度でローストしました。フォラステロカカオ豆は高温で(140度以上)で焼くことが多いのですが、通常よりやや低い温度でローストすることで、苦味と酸味をバランスよく引き出すことができました。

さらに、ガーナ産フォラステロの単一品種でつくるといったごまかしの効かない条件の中で、多くの人に受け入れられる味わいに仕上げました。ぜひ、ご賞味いただきたいですね。

■「こだわりを持ったものを、つくれる時代になった」

私なりの、このチョコレートとマスターズドリームの愉しみ方は、1人で飲み、食べるということです。テーブルの上に置き、ソファではなくチェアに座って、姿勢を正しながらしっかりと味わいたい。

なぜかというと、私はチョコレートを「お菓子」と思ってつくっていないんです。食品、といいますか、料理として見ています。だから、料理を食べるのと同じ環境で愉しみたいということがありますね。

また、1人で愉しむというのは、個人的に手酌がいいと思っている点もあるんです。人とお酒を飲むのが悪いわけではないですが、「お酌」になってしまうとグラスの中を空にしちゃいけないという雰囲気になり、そのせいで、せっかくの上質なビールが残される、となりがちですよね。それは、非常にもったいない。私は、チョコレートを買っていただいた以上は、最後まで食べてほしいと考えています。きっとマスターズドリームの醸造家も、同じように考えているんじゃないのかな。最後の1滴まで飲んで欲しいと!

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最近の日本のつくり手が置かれた環境を顧みると、いい時代になったなあと感じます。お寿司の職人さんの中には、握り終えた後にサッと柚子の果汁をふりかける人がいますよね。こうした細かな手の入れ方、さらにいえば「こだわり」が、世界的に認められてきたと思うんです。

チョコレートの世界でも、以前よりもまして日本のショコラティエが活躍する場面が見られるようになりました。先ほど話に出たベリー感のあるチョコレートをつくるのは本当に上手ですし、ほかにもシトラスや抹茶など、さまざまな味をほのかに織り交ぜて繊細な味を表現することが、海外でも評価されています。これは、私が、というのではなく、ほかの日本のショコラティエを見ていても、強く感じることなんです。

マスターズドリームの〝夢〟というのは、醸造家が「俺たちが本当にこだわったものを、つくりたい」という意味なのではと思いました。ビールもチョコレートもそれが実際にできるようになったという点で、今は非常にいい時代ですよね。

土屋公二(つちやこうじ)

静岡県出身。1982〜1987年、パリの有名ショコラトリー、パティスリーにて修行。東京都内の洋菓子店でパティシエ、ショコラティエとして活動した後、1999年に「ミュゼ ドゥ ショコラ テオブロマ」(渋谷区富ケ谷)をオープン。現在は渋谷本店のほか、ジェラートの専門店「ジェラテリア テオブロマ」(神楽坂)など5店舗を率いる。

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